ごめん、愛してた。vol5.古剣奇譚を見ました~の感想

ウィリアムチャン

古剣奇譚を見終わりました
BSでは珍しい中国ドラマの放送。ありがとうBS11!!
これからもどんどんやってほしい華流ドラマの放送。
特に中国時代劇やってやってやって~~!!

武侠大好きの私としては、韓流のドロドロ復讐劇やるくらいなら
中国武侠ドラマと差し替えてほしいという強い要望。

このドラマはさて誰が原作かな、と思いきや、金庸とかではなく、
ゲームをドラマ化したものだと聞いて、最初はがっかり。
なんか軽いタッチだなと思ったけど、ゲームだったのか・・・・

文学を映画・ドラマ化したものがとりわけ好きな私には短絡的な戦いものに
なるのかなと思ってちょっと引いたけど

それでも引き込まれたのは脚本のうまさだと思う
中国武侠ドラマはまだ「言葉」が生きている
セリフの端々に、人生そのものについての含蓄ある言葉が出てきて
なるほどなと思わせる
これはひと昔前の韓流ドラマと同じ(今は韓流に言葉が生きている感じがほとんどしない)

人気若者向けドラマとは思えないほど、出てくる若者たちの、人生を深くしかもさらりと
語るセリフ、というかセリフを超えた「言葉」に、
中国の詩経とか中国5000年の言葉と詩の歴史を感じてしまうのは
私だけだろうか

さすがは中国、やはり壮大な文化の力が
大河のように脈々と流れているのね

しかしながら古典的な武侠ドラマとはちがって最近の武侠ドラマは
武術を見せるシーンはほとんど、まったくない
そもそもは少しでも武術シーンをみたいという理由で武侠を見ているのに
完全にCG化されてしまっているのが残念

人の動きを見ることが武侠ドラマの面白さなのですが・・・

このドラマ、大陸台湾香港から超絶選抜されたイケメン大集合。
美女も大集合のドラマです

主役はリー・イーフォンでした
「晴れのち~」で見て以来でしたが、ずいぶんりりしくなりましたね
かっこいいタイプとは思わないんですが、昔に比べて目力がすごくなり
主役に匹敵するような独特の強み、存在感が今の彼にはあるよ
主役の屠蘇が持っている悲しみ、そういうものを
全編にわかって体から醸し出してましたね

少恭役のチャオ・ジェンユーはすごくかっこいいんですけど
彼は現代の普通の恰好している時はほんと普通。。。時代劇と普段とが落差ありすぎ。(別にいいけど)
時代劇の恰好になると、1000倍くらいイケメンになる。
今回は少恭がいい人じゃなかったからちょっと残念。(ネタばれですけど)

そしてなんといっても今回のスターは大師兄でしょう
まあ、多くの人がそういうでしょう
そして日本をはじめ間違いなくファンを増やしたはず

つまりウィリアム・チャンです
彼はこのドラマを機に仕事が増えたそうだけど、そりゃそうでしょうな
もう抜群にかっこいい。
何がかっこいいかって、ハンサムっていうことじゃなくて、
大師兄そのものになりきっている、なりきり度がすごい

すべての目つきからしぐさ、動きから存在感、言葉遣い、言葉の音までが
天墉城を今後きりもりしていく長となるべき人の貫禄とオーラを
隙間なく演じている
下手な人だと、どこかに隙間が出て、「普通っぽさ」が出てしまうんだけど
ウィリアム・チャンは、隙がない。ほんと隙がないくらい大師兄そのものでした。

ふだんのウィリアム・チャンを見ていると、どこかいたずらっぽそうな普通の少年。
そういうところも、ボーイッシュなところも、砕けたところも、ヒップホッパーなところも
一切垣間見せることもなく、このドラマでは陵越そのものの力を醸し切っていた
そこがすごいです

will2

 

(かっこいいから大アップ)

売れて当然の役者さんという気がしますし
これからが楽しみな人ですね!!
やわなアイドル的な存在で終わってほしくないです
多くの人は大師兄があまりにも強い印象だったので
私をはじめ大師兄から気持ちが切り替わらないんですよね~
そこをどうすり抜けてあらたな役のオーラを作りだしていけるか、
でしょうね

このドラマは武術のアクションを見せたり
華麗さを見せたりするものではなく、
屠蘇の人生と成長そのものを追いかけていきます
そこに様々な魅力的な仲間が登場し、物語に含みを与えています

屠蘇はなんの因果か、剣霊を自らの中に背負い
その運命ととともに苦しみながら生きているのですが
それを取り除いて新たに生きていこうとします
ある意味では剣霊は人間の中にあるエゴの象徴です
そしてそれを取り除こうとする彼の試みはエゴを乗り越えようとする人間の生き方そのものです

それは自らの影と戦わざるを得なかったゲド戦記のゲドにも通じるところがあり
私のように、霊的能力というものを生まれながらに背負わなければならなかった
運命の人間の、生き方にも通じるところがありました

運命に逆らえば、結局はそれに苦しめられる
受け入れて、善きものへと向かっていく

最後までそれを貫こうとした屠蘇でしたが
結局は天に散っていきます
この最後がとても切なくて悲しい
屠蘇の魂を探そうと延々と旅を続ける晴雪もまたとても悲しく
しかし、人間の運命とはこういうものかなと、
最近ここまで生きてきて自分は思います
ある意味では天命を全うした屠蘇ですが、
すべてがハッピーで済まされたわけではありません
それでも彼は彼なりに精一杯運命を受け入れて生きてきた
そういう悲しいが一方でやり切ったという悲しくはない表情が
最後の姿を演じるリー・イーフォンはうまかったです

晴雪が最後まで旅を続けるシーンで終わるこの物語
何かすっきりしない感もあると思いますが
人生とはそんなものじゃないですか
晴雪のように自分の片割れであるツインを、その魂をもとめて
今も私たちは魂を旅し続けているわけでもあり…

武侠ドラマは何かと霊的なところがありますが
ある意味ではスピリチュアルドラマともいえるもので
何か人の定めや生き方を見せてくれるところがあって

私は、自分の人生が、魂が
この物質世界と見えざるスピリチュアルな世界の両方を
もともと生きている身なので、この世界観というか
広漠とした世界が自分の生きる世界の空気とつながるところがあります
大師兄の生き方も、晴雪の人生も、共感するところもあるんです

そういう壮大なこの世ならぬ世界のこの世を、

中国の俳優さんたち、みんな見事に演じ切っていました

最後に、執剣長老役のチャン・ジーヤオさんも大好きです
金庸作品にも出ていて、武侠の常連?さん。しぐさも貫禄ありますし
翠山役が好きでした

さあ、もっとやろうよ中国武侠ドラマ!