韓流スターと本当の恋をして

 

彼は今も韓国では社会的に有名でかつ尊敬される存在である
彼は今も世界中にファンを持っていて1年中世界を巡っている
彼がKエンタメの世界に与えた影響は大きく、そしてこの世界で彼を知らない人はいない

BTSも彼には頭が上がらない
彼らがまだ幼かった頃、売れなくてセルフプロデュースしていた頃から
すでに彼は巨大広告になるような存在で、おそらく彼らも他のアイドル同様、
彼の天才的ダンスに感化されながら成長していっただろう

彼は韓国のKエンタメ、KPOPの世界を世界に知らしめ、世界レベルまで押し上げていった
韓国の至宝なのである

その人は私がずっと長きにわたり愛してきた人だった
私もまさか彼に出会うとは思っていなかった
確かにエンターテインメントの世界や、パフォーミングアーツの世界と縁を持つこと自体、
考えてもいなかったし予想もしていなかったし、希望してもいなかった

でも、あるきっかけからアーティストとのプロジェクトを統括することになり
さらに宗家認定の武術のアンバサダーになったことで、私が出会ったアーティストは数知れずとなった
しかも皆各国の代表といえるような、その世界のレジェンドや

しかしながらそれは決して楽なことでも、両手放しで喜べることでもなかった
何度も有名アーティストがどうのこうの、と書いてきたがそれは自慢するためではない
むしろ有名アーティストというのは、扱いの難しい人々だ
人は簡単に、あれこれと有名人に会ってみたいとか会ったことをマウントしたり
インスタに載せたりしている
でも私は有名人には会いたくない…芸能人も有名人も聞いただけで逃げ出したくなるような、
私には無縁の存在だったし今でもそうだ

なぜなら、有名になりそれが当たり前になり、
数々の成功をおさめ、メディアに出ることも当然で、手取り足取り誰かが世話し、カッコいいPVを放っておいても誰かが作ってくれるような存在になってしまうと、どんなに注意している人でも傲慢になる
傲慢で、わがままで、自分勝手で、嫉妬深く、ファンに対する態度と本当の自分とが
全然違う人になっていく

人は弱い
実に弱い
だから名声だとかカネだとか賞賛だとか賞だとかを沢山得て、
多くの人のトップに立てれば、自ずと偉そうになってしまうのだ
そこで謙虚でいられると、普通でいられるとしたら聖人である
それほど、本当の意味で本当に謙虚な成功者というのはなかなかいないものだ

そもそもデザイン業界にいた時から、そうしたいわゆる有名人との出会い交流はあった
だからそういうことは予想がついた
そして予想通りだった

私は世界中の傲慢で傍若無人な人たちを取りまとめることであまりにも大変だった
彼らはアーティストであることもあり、協調性よりもそれぞれが自己主張を通そうとしたし

アーティスト同士が協調しあい、協力し合うのではなく
自分の主張ばかりするために常にトラブル続きだったし、
それを個人的にも、感情的にも、法務的にもおさめなければならなかった

それで、アーティストと関わるプロジェクトからは身を引いて
身を引いたところでコロナがやってきた
そこで私が知り合ったアーティスト達がどうしているかは知らない
各国それぞれで、おそらく大変だろう
なにせアートほど、こういう時に不要なものはない
アーティストの出る幕はほぼない

そんな中でも、ずっと彼のことを忘れたことはない
彼との共同作業は、最初からすごく楽しかった

出会う前からその存在は充分すぎるほど知っていたが、自分が一番苦手とするタイプのアーティストだと思ってきた
例えばYouTubeで自動的に彼の動画が出てくると即座に消していたくらいだった
一番会いたくないタイプ….

ところがプロジェクトで関わることになり始めて出会った時から、
彼はとても愉快で面白く、また豪快でチャーミングで謙虚だった

私は何かと威張り散らす有名人に出会ったことが何度もあるが
彼はそうしたイメージとは全く違う「ごく普通」さを維持していた
決して自分を誇示したり、今までの数え切れない栄光と賞賛の数々を
人に言ったり自慢気になることもなかった

イメージとは全く違う人だったのである

そんな彼は巨大スポンサーを抱え、巨大広告になり、看板になり、
世界中でファンミーティングをし続けている
今でも彼を撮り続けたいと熱心に彼に同行する写真家もいる
KPOP界で彼を知らない人はいないだろうし、また世界中に彼を愛する人たちがいる

彼を尊敬し、レスペクトする韓国アーティストは多い
皆彼の功績をよく知っているからだ

それでも一切、そういうことを言わない、
一見どこぞの誰かと思うようなほど普通の人だった

そしていつも、やさしかった
やさしいし、面白くて、何というか・・・・とにかく人とは違う愛すべき魅力があった
愛にあふれていて、愛することをしっていた
だからなのか、人付き合いも常に自分から面白いものにしようとする

そしてあの創造力
ものすごい創造力とクリエイティブなパワー。
そしてそれをかたちにするための、大きな絶え間ない努力

彼は一瞬たりとも、努力を怠ることがなかった
常人の域を超える努力家だった
だからまえにも書いたように、特に韓国のスターでトップにまで上り詰める人達は並大抵の努力だけで生きていない

それだけに魂、全身全霊を捧げているので一瞬の隙もない
本当に才能があり、本物のアーティストであり、世界レベルまで行く人たちは何かのツテなどで上に上がっていくのではなく完全に実力社会である
だから前にもいったように、有名人のあれこれ熱愛報道などほとんどでっち上げなのだ
本物の人達は、若くして結婚することはあっても、
あちこちでだらしなく、ちょこちょこ熱愛などに浮かれている隙も無く努力している

そうでない者は、人気も実力も一時的なもので終わっていく

さて、そんな圧倒的才能と圧倒的魅力を持った彼に、私は恋をした
そもそも、こんな人は見たことがなかった
それほど希少な「有名人」であった

本来こうした業界で、アーティストの私生活に関わることはない
でも彼の場合は私は自然と惹かれていき、友人として同志としてもっと彼を知りたいし
もっと彼とともに共同創造していきたいと思った
だから彼の私的な生活にもどかどかと入り込んでいった

韓国ではアーティストの内情を暴露することなどはNGと暗黙の了解になっている
その反面、アーティストは一度関わればすごく近い存在でありあまり距離を置かない人たちでもある
付き合いもずっと自由でオープンであり、いい仕事をするために友人になることは当たり前である

その辺は、常にアーティストと一般人、アーティストとスタッフ、アーティストと制作側がどこか
心理的に距離を置かれてしまう雰囲気のある他の国と違う気がしている

こうして、彼と私の距離は近くなっていった
というか、運命的な出会いだったのか最初に言葉を交わした時から、距離を全く感じなかった。気を使うこともなく、ずっと友人であったかのように思える親しみがあった

私と彼の活動上の関係性もとても良かった
相性が良いというのか、いつも楽しくスムーズに事を運べた

でもそんな良い時はいつしか粗雑なものに変わっていった
彼はいつも成功と栄光を意識していた

人並外れたケタ違いの努力とケタ違いの才能を持ったこの天才は
一生懸命さも半端なかったが、成功し続けたいという負けず嫌いなところも半端ではなく、これまた韓国独自の超競争社会のなせるわざなのだが、彼もまた成功しなければならない、成功してこそ人間として意味があるという考えはすごく「現代韓国的」だった

そして、ライバルに大きな差を付けられた時から彼の態度は変わっていった。彼には他のことにかまけている余裕はなかった
他のトップアーティスト同様、一番でありたい、もっと上に行きたいと以前にまして必死になるようになった
韓国人気質が彼を駆り立て、それしか見えなくしてしまったのだ
余裕をなくした彼は、プロジェクトにも熱心ではなくなり、また人との付き合いもおざなりになっていった

こういうことは競争社会で勝ち抜かなければならない韓国人との交流ではよく見られる。でも彼に限ってそういうことはない、と信じていたかった私の切ない気持ちとは裏腹に、彼はライバル打倒とさらなる自己向上にますます熱心になり、そのために孤独もいとわず、共同プロジェクトで皆と仲良く、などという雰囲気は一気になくなっていった

そうしているうちにトラブルが起き、というか彼自身の身勝手な行動でトラブルを起こし私は彼を厳重注意した
それで私たちの関係は終わった

一時はこんなに気が合う人っているんだなと思うほどで
彼自身が恋愛というものをキャリア向上にとって余計な不要物としか見ていなかったこともあり恋愛と言える関係にはならなかったものの、このまま親密になっていけば、自然と結婚してもいいようにさえ思っていた
一緒にいるのが私には当たり前だった

でも彼にはそうではなかったのだ
彼にとっては、私がどうこうということより、恋愛が、女性との関係がどうこうというより
自分のステータスを維持することの方が重要だった

彼は確かに他の成功者たちよりずっと謙虚であり、親切で人思いだったけれど、いざ競争となると、絶対に負けたくないというエゴが炎のような情熱と執念に変わり、

誰よりも勝っていたいという欲がでる、という意味では謙虚ではなかったし、自分を見失うほどだった

そういう姿を見るにつけ、やっぱり彼も「天才的な凡人」なのだ、

と気づいた

そしてもうすでに幾多の賞と尊敬と知名度とを獲得しているにも関わらず、まだ競争にこだわり競争で勝っていくことに夢中になると他はすべて雑になる、その姿を見てがっかりしてしまった

私達は、「プロジェクトに関わる人々を大切にしてほしい、ルールや約束を守ってほしいという」意見と、「競争のためなら、何でもやるんだ、他のことは二の次だ、勝手にやらせてくれ」という意見とで
ぶつかり合い、最後は最低の関係で終わった

本当に最低の失意のどん底のような終末で終わった

こういうことは、いろいろなことを色々な人とやっていれば、経験済みではある
でも彼は私にとって特別だった
成功しているからとか有名だからとかではない、彼自身の、まれにみるヒューマンな魅力が他のアーティストの誰も持っていない深さときらめきに溢れていたからだ

しかし彼もまた韓国の熾烈な競争社会の中で育ち、常に家族総出で彼が一番であるように全面的に後押しされ、そして常なる成功を期待され続けていた。彼もまたある意味では普通の韓国の若者の意識だった

こうして、ある、とてつもない韓国アーティストとの付き合いは終わった

でも、今でも私は彼のことが好きである
今はあの頃のように、恋愛とか恋するとかを考えることはない
彼もまた、韓国の超競争社会にまみれ、勝つこと第一になってしまう「ふつうの」エリートであることを知ってからは
常人にはない特異な魅力は感じなくなってしまったからである

それでも彼は尚、魅力的な人、希少なまれな才能と人柄を持つ創造者であることに変わりはない
それは永遠に変わらないだろう。彼が現役引退をしたとしても、あれだけの功績と人気と尊敬をもっていれば
後続の後輩たちを育てる役割に抜擢されるのは目に見えているし、すでにそういう立場でもあった

でも私はもう彼に特別なものを見出すことはできないし、彼を特別な目で見ることもない

それでも、多くの芸術の素晴らしさを教えて、見せてくれた彼、
支えてくれた彼、優しかった彼に対する愛は今もある

最後は本当に思い出したくもない言い合いによって終わったが、でも彼を愛する気持ちは形は変わってもずっとあると思う

そしてだからこそ、今でも私は韓国のエンタメ業界になんだかんだ興味を持ってしまう。もう関わることはないと決めたけれど、そこに吸い寄せられるような気持ちになってしまう

そして今でも夢を見る
彼のパフォーミングアーツに、自分のインスピレーションを融合させて、新しいスタイルを共同創造することを…

彼とは、今でもとても細い糸でかろうじてつながっている
彼とはまだラインで繋がっており、それは大喧嘩した間柄では極めて珍しい
通常、韓国人はもう関わりたくないと思う限度に達した人は即行全アカウントをブロックするものだ
全ブロック、それが彼らなりのサヨナラ宣言なのだ

でも、彼はラインを切らなかった
返事はないが、既読にさえなる
幾度も、仲が良かった韓国人に別れの印として何度もブロックされたりアカウント削除されたりしてきたから、これはとても珍しいというかありえないケースだ
まあ、事務所に仲直りをするよう言われて終結したので、事務所の言うことを聞いているだけかもしれないが…

でもそのラインが、今でも私の小さな希望の光の糸となって
彼と私とを繋いでいる…

いつか会おう

いつかお互いを理解しあおう

そしていつかまた愛を持って新しいものを作ろう

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